FXの自動売買ツールはポジションを数多く持つため、通貨を購入する資金も高額になります。通貨を購入するために必要な資金を「必要証拠金」と言います。
なお、自動売買ツールの特性として、為替が値下がった時にポジションを持つため、必然的に全てのポジションが含み損を抱えていることになります。
当然、その含み損の金額も口座に入金しておかないとロスカットが執行されてしまいます。必要証拠金と含み損を足した金額を「有効証拠金」と言います。
必要証拠金の算出
例えば、注文の値幅を50銭、ポジション数を11本、通貨数を1,000通貨に設定したとします。為替が95円の時に1本目のポジションを持つと、2本目は94円50銭、3本目は94円でポジションを持ちます。そして、為替が90円になった時に最後の11本目のポジションを持ちます。
全ポジションの購入金額は1,017,500円になります(平均単価92円50銭×1,000通貨×11本)。ただ、FXの取引では最大25倍のレバレッジ(倍率)を掛けられるため、資金は1/25で済むため、必要証拠金は40,700円です。
有効証拠金の算出
為替が95円になった時には、1本目の95円のポジションから10本目の90円50銭のポジションまで、含み損が発生しています。
・95円のポジション:(95円-90円)×1,000本=5,000円
・94円50銭のポジション:(94円50銭-90円)×1,000本=4,500円
・94円のポジション:(94円-90円)×1,000本=4,000円
10本の含み損をトータルすると、27,500円になります(平均含み損2,500円×11本)。平均含み損は(平均単価92円50銭-90円)×1,000通貨の式で表せます。従って、有効証拠金は40,700円+27,500円の68,200円です。
証拠金維持率
自動売買ツールには「証拠金維持率」という数値があり、この数値を下回るとロスカットが行われます。証拠金維持率は以下の式で表されます。
・証拠金維持率=(口座残高-評価損益)÷必要証拠金×100
仮に、口座に60,000円を入金していた場合は以下になります。
(60,000円-27,500円)÷40700円×100=79.8%
つまり、口座の残高不足のため、ロスカットが執行されます。
ロスカットを避けるためには、以下の2つの方法を採るしかありません。
①口座内への入金額を増やす。
②必要証拠金額を減らす。
必要証拠金額を減らすということは、以下のことをすることです。
・ポジション数を減らす。
・通貨数を減らす。